by courtesy of Hajime NAKANO
神戸の洋菓子店ア・ラ・カンパーニュとお菓子メーカーの植垣が、共同で商品開発を行い、洋風鶯ボールを販売するようです。
洋菓子店「ア・ラ・カンパーニュ」を展開するハット・トリック(神戸市)と米菓製造販売の植垣米菓(同)は商品開発などで提携した。第1弾の共同開発商品を29日から関西の百貨店で販売する。神戸の和・洋菓子の連携は珍しく、今夏にも新商品を販売予定。今後は商品開発以外にも連携を広げる考えだ。(2014年1月21日付 日経新聞朝刊)
この記事は、日経新聞の近畿版に掲載されていました。ケーキ店と米菓メーカーのコラボは珍しく、そのために日経に取り上げられたのでしょう。そこで、ア・ラ・カンパーニュと植垣がコラボに至った理由を考えたいと思います。
【ア・ラ・カンパーニュと植垣が商品開発で提携した理由】
[1]話題性があるから
[2]顧客層を相互に拡大できるから
[3]各カテゴリーでプレミアム品が売れているから
1は、日経が取り上げたことが、それを証明しています。話題性があれば、マスコミが取り上げ、大きな広告効果を期待できます。逆に言えば、話題性がなければ、なかなかその存在すら知らしめることができず、売れないということもできるでしょうか。ケーキ店と米菓メーカーの提携、さらにチョコレートでコーティングされた鶯ボールとなれば、SNS上で話題になっても不思議ではありません。そうなれば、大きな売上のみならず、ア・ラ・カンパーニュと鶯ボールというブランド認知度をさらに高めることもできるのです。つまり、UGUIS BALLの売上のみならず、既存品の売上増も期待できることになります。
2は、ア・ラ・カンパーニュのケーキと植垣の鶯ボールは、その顧客層が互いに異なります。つまり、ア・ラ・カンパーニュでケーキを購入する人は、鶯ボールを普段食べることは考えにくく、逆に鶯ボールのファンは、ア・ラ・カンパーニュのケーキを食べることはほとんどないということです。UGUIS BALLの発売によって、ア・ラ・カンパーニュの顧客は、鶯ボールの美味しさを実感し、逆に鶯ボールのファンは、ア・ラ・カンパーニュの存在を初めて知るかもしれません。これは、相互の顧客を相互に紹介することであり、両企業は顧客層を拡大することができます。
3は、アベノミクス効果により、食品や酒類において、プレミアム商品が売れています。そのため、ジム・ビームのプレミアム版など、市場がさほど大きくないカテゴリーでもプレミアム商品が導入されるほどです。ならば、汎用菓子の鶯ボールにプレミアム商品を導入すれば、鶯ボールの売上拡大に寄与できるはず。さらに、植垣単独でプレミアム商品を作るよりも、関西では知名度のあるア・ラ・カンパーニュと共同開発し、百貨店で販売した方が、プレミアム感を出すことができます。UGUIS BALL誕生の裏には、プレミアム人気に乗らない手はない、という考えもあったはずです。
強力な他カテゴリーのブランドと提携することで、顧客層が拡大できるだけでなく、話題性がより高まります。そして、その提携商品にプレミアム感を持たせれば、アベノミクスの恩恵を受けることができるのです。今後このような提携が増えるかもしれません。
☆今日のまとめ☆
ア・ラ・カンパーニュと植垣が提携したのは、話題性と顧客層の拡大、さらにプレミアム人気が期待できるから。
同様の理由で、強力なブランド同士の提携が今後増えるかもしれない。
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
☆ 今日のこぼれ話☆
鶯ボールなんて、かれこれ10年近く食べていません。
この記事を読んで、食べたくなりました。
UGUIS BALLの発売を待たずに、鶯ボールの売上が伸びるかもしれないですね。