神戸三ノ宮のダイエーに銀だこがあるのですが、飲食店激戦区の立地にも関わらず、結構流行っています。たこ焼きとして別に安いわけではありません。コンセプトは、「お酒が飲めるたこ焼き屋」でしょうが、さほど目新しいわけではありません。たこ焼きという「わかりやすい」メニュー・「万人受け」するメニューがウケているのでしょうか。
大阪・梅田の阪急三番街にも人気店があります。カツ丼店の祭太鼓です。お腹の減り具合でサイズが選べるというのと、メニューの豊富さが特徴です。牛丼チェーン型(ファストフードタイプ)のカツ丼店だけあって、価格も比較的割安。梅田で人気を出すには、割安さが必須ですね。
この両店には、目に見えにくい共通点があります。それは、
基幹メニュー+トッピングでメニューを増やしている
という点です。銀だこの基幹メニューはたこ焼きで、祭太鼓はカツ丼。この基幹メニューに具材を加えることによって、メニュー数を増やしているのです。なぜこのようなことをするのか?それは、
調理時間を短くして、素早く提供するため
です。昨日取り上げたマクドナルドの欠点の逆ですね。例えば、祭太鼓の場合は、来店客があった時点で、カツ丼+α(加える具材)の注文がほぼ確定しています。αの部分とサイズに違いがあるだけ。調理方法はほぼ同じなので、短時間で提供できます。銀だこも然り。
調理方法が単純であるということは、
未経験者・少人数でも運営が可能
となります。これは、人材コストの上昇対策になります。例えば、銀だこならばたこ焼きを焼く技術をマスターするだけ、祭太鼓ならカツ丼の調理技術をマスターするだけで、戦力化できます。この単純な調理方法のお陰で、求人・人材教育が簡単になり、この結果、求人・トレーニングコストを削減できます。
需要が一時に集中し、さらに販売数に限りがある飲食店の場合、いかに提供時間を短くし、客席の回転率を高めるかが、収益を大きく左右します。この点に関して、銀だこ・祭太鼓はかなり優れているビジネスモデルなのです。
☆今日のまとめ☆
銀だこと祭太鼓の共通点は、主要メニューが基幹メニュー+トッピングのため、調理時間・提供時間を短くでき、また調理方法が単純なため人材コストを低くできる点。
提供時間・座席回転率が収益を左右する飲食ビジネスにおいて、銀だこ・祭太鼓のビジネスモデルは優れていると言えるだろう。
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
- 今日のこぼれ話☆
高級レストランやバーなど、飲食店はついつい派手なお店・ブランドに目が行きがちですが、本当に儲けているのは、単純なメニューでリピーターを獲得している小型店なのでしょうね。